「うわっ、すげー!」

部屋に足を踏み入れた瞬間、伊勢谷さんは驚いていた。

「ひょえーっ…」

あたしは呟くような声を出すことしかできない。

大きな窓からはライトアップされた夜景が見えていた。

部屋の内装は和室だけど、これがすごく広い。

何だか使うのが申し訳ないくらいだ。

「田ノ下さん、座りましょうか?」

あまりの部屋のすごさに呆然となっていたあたしに、伊勢谷さんが声をかけてきた。

「あ、はい…」

あたしは返事をすると、荷物を置いて座布団のうえに腰を下ろした。

座布団はフカフカで、とても座り心地がよかった。

伊勢谷さんが向かい側に腰を下ろした。
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