時計が6時を指差した頃、あたしと伊勢谷さんはエレベーターで1階に降りると宴会場へと向かった。

「すごい人ですね」

そう呟いたあたしに、
「思ったよりも人がいますね」

伊勢谷さんが聞こえたと言うように答えた。

宴会場はすでに大勢の人で集まっていた。

他の支店からも何人かの参加者がきているのだ、当然のことだろう。

宴会場に足を踏み入れると、
「田ノ下さんと伊勢谷さん、こっちです」

すでにきていた曽根原さんが手を振ってくれた。

「場所取りありがとうございます」

あたしはお礼を言うと、曽根原さんの隣に腰を下ろした。

「田ノ下さん、場所代わりましょうか?」

伊勢谷さんがあたしの隣に腰を下ろしたとたん、曽根原さんがコソッと声をかけてきた。

「大丈夫ですよ」

あたしは笑いながら、曽根原さんに返事をした。
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