「それでは、ただ今から宴会を始めたいと思います。

今回の社員旅行に参加してくださった皆様と『ハッピーマン』の繁栄を願って、カンパーイ!」

「カンパーイ!」

社長の合図で宴会が始まった。

曽根原さんと伊勢谷さんはビールで、あたしはお酒が飲めないのでウーロン茶で乾杯をした。

テーブルのうえに用意されていた料理は懐石料理だった。

さすが、高級旅館である。

「この刺身、すごく美味しいですね」

美味しい料理に舌鼓を打っていたら、伊勢谷さんが話しかけてきた。

すでに酔いが回っているのか、彼の顔は少しだけ赤らんでいた。

「そうですね、美味しいです」

あたしは返事をすると、甘エビを口に入れた。

うん、美味しい。
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