知っているも何も報告していないから知りませんよ。

と言うか、もう部屋に帰ってもいいですか。

躰が冷えます、髪を乾かしたいんです。

「それはいいじゃないですか。

もう部屋に戻りますから、じゃ…」

立ち去ろうとしたあたしの肩を朝比奈さんがつかんで、彼の方へと振り向かせられた。

「ちょっと、なっ…!?」

抗議をしようとしたあたしの唇をふさぐように、朝比奈さんの唇が重なった。

――えっ…?

何をされているのか、全くわからなかった。

あたし、朝比奈さんとキスをしているの…?

何で?

どう言うことなの?

何でキスをされているの?

初めてだから、どう対応すればいいのかわからない。
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