と言うよりも、
「結構です」

あたしは答えた。

「えっ、どうして?

祝って欲しくないの?」

「ええ、祝わなくても結構です」

夫婦だからと言う理由で祝われても迷惑なだけである。

はっきり言うと、義務的な感じがして仕方がない。

「誕生日当日は平日ですから、あたしも朝比奈さんも仕事ですよね?

だから祝わなくても結構です」

あたしがそう言ったら、
「ああ、そんなことを気にしているの?

例え平日だったとしても休日だったとしても、俺はちゃんと小春ちゃんの誕生日を祝ってあげるから」

朝比奈さんは言い返した。

「ケーキも用意するし、プレゼントだって用意するよ。

何か欲しいものがある?

あったら言ってよ、プレゼントしてあげるから」

本当に、もう何なのだろうか?
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