祝わなくてもいいって言ってるのに、何で祝いたがるのだろう?

義務にしろ無理しているにしろ、何なのだろう?

「じゃあ、お金がいいです。

それで自分の欲しいものを買いますから」

そう答えたら、
「お、お金…。

すごいことを言うんだね」

朝比奈さんは引いたようだ。

「お金はいくら何でもないよ…。

せめて物にしてくれなきゃ、こっちだってどうすればいいのかわからないよ」

何だ、ダメか。

あたしの誕生日を祝うって言ったくせに、そう言うところの線引きははっきりとするんだな。

そう思っているあたしに気づいていないのか、
「まあ、いいよ。

小春ちゃんのためにたくさんのプレゼントを用意して、誕生日をお祝いしてあげるから」

朝比奈さんははっきりと宣言したのだった。
< 80 / 275 >

この作品をシェア

pagetop