着替えを済ませて、事務所でタイムカードを押して職場へと向かおうとしたら、
「おはようございます、田ノ下さん」

その声に視線を向けると、事務所から伊勢谷さんが出てきたところだった。

「おはようございます」

あたしはあいさつを返した。

伊勢谷さんがあたしの隣に並んで歩いたので、あたしも一緒になって歩いて職場へと向かった。

「今日も寒いですね」

「そうですね、週末はもっと寒くなるみたいですよ」

「うわーっ、ヤだなあ」

いつものように世間話をしながら歩いていたら、
「そう言えば、今日は田ノ下さんの誕生日でしたね」

伊勢谷さんがその話題を切り出してきた。

「ああ、はい」

首を縦に振って返事をしたら、
「おめでとうございます」

伊勢谷さんが言った。
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