恋
２つ先の駅から少し歩いたところに伊勢谷さんが予約したと言うレストランがあった。

「ここ、とても美味しいんですよ」

予約したテーブルに到着すると、伊勢谷さんが声をかけてきた。

「そうなんですか」

あたしは返事をすると、マフラーとコートを店員に預けた。

伊勢谷さんもコートとハットを店員に預けると、椅子に腰を下ろした。

コートの下は白のタートルニットのセーターだった。

同じ白であわせてきたと言うのは偶然かも知れないけれど、あたしは嬉しく感じた。

「今日は僕が奢りますので、たくさん食べてくださいね」

そう言った伊勢谷さんに、
「ありがとうございます」

あたしはお礼を言った。
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