「女性の方は花束を持って…はい、撮りますよ。

はい、チーズ」

カシャッと音がしたので、写真を撮られたのだと言うことがわかった。

「はい、ありがとうございまーす」

店員があたしたちにお礼を言うと、その場から立ち去った。

「僕たちも帰りましょうか?」

店員の後ろ姿を見送った伊勢谷さんが聞いてきたので、
「ええ、そうしましょう」

あたしは答えた。

伊勢谷さんに会計を任せると、あたしは先に店を出た。

スマートフォンで時間の確認をすると、10時を過ぎていた。

わーっ、あっと言う間だな…。

そう思ったのと同時に、朝比奈さんからメッセージがきていることに気づいた。

また残業で帰れないと言うメッセージを送ってきたのだろう。

スマートフォンをバックの中に入れたら、
「お待たせしました」

伊勢谷さんが店から出てきた。
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