「ああ、おかえり」

朝比奈さんが迎えてくれた。

これは一体、どう言うことなんだ…?

あたしはリビングを見回した。

壁にはかわいらしいレターバーナーとプレートとバルーンが飾られていた。

足元に視線を向けると、くまのぬいぐるみと山積みされている箱――いや、プレゼントと言った方が正しいだろう――がたくさんあった。

テーブルのうえにはいちごのホールケーキがあって、「2」と「6」のロウソクがつけられていた。

それを囲んでいるのは鶏の唐揚げやポテトサラダ、ミートソースのパスタ、手まり寿司だった。

「ビックリした?」

その声に視線を向けると、朝比奈さんが微笑みながらこちらを見ていた。

「…きょ、今日も残業じゃなかったんですか?」

呟くようにそう聞いたあたしに、
「今日は早く帰るって言ったはずだけど」

朝比奈さんが不思議そうな様子で言い返してきた。
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