あなたしか見えなくて
出会い方なんて関係ない
わたし、大原愛菜は、高3だっていうのに全然進路のことなんか考えてなくて、恋愛なんて全然できてなくて。中学の頃描いてた青春なんて、遠い存在になってた…。
あの人に出会うまでは。
あれは、去年の9月だったかな。
お母さんに頼まれて、学校の帰りにお使いを頼まれてて…。これが、出会いの始まりだったんだ。
「はぁ、コンビニよらないとなぁ…」
まだ暑さがあるからコンビニの冷房はいいものだった。
「いらっしゃいませー」
「よし、これと…これで…。じゃ、もう行こーかな」
いつものように店員さんにかごを渡して…って
かっこいぃ…/////
「520円になります」
「あ、あの…」
「ん?どうされました?」
「す…、好きです!付き合ってください」
あ、あたし何言ってるんだろ。
初対面なのに。。絶対振られる…。
「ねえ、君。俺、シフト終わるのあと30分だから、ちょっと待っててくれる?」
「は、はい!あ、忘れてた。これ、お金」
「はい。ちょうどになります。じゃぁ、後で」
ドキドキ…ドキドキ…
この心臓の音が今すぐにでも誰かに聞かれちゃうくらい大きくて…でも、収まらなくて
どうしよ…初恋だし、初対面だし。
30分…ちょうど17:00に彼は裏口から出てきた…