さょなら大好きな人
「圭吾は?」
「あっ?」
そばにいた圭吾に声をかけると、友達と会話を繰り広げていた彼が少し怪訝そうな顔をして振り向いた。
「加奈の数学...!」
「なんでお前の数学の行方を俺が知ってんだよ!」
...それもそうか。
加奈は再び机に視線を戻した。
「おっかしいなぁ...ない〜!」
キーンコーンカーンコーン
「嘘〜!?」
「あ〜あ〜...どうすんだよ?数学といったらゴリだぞ?」
隣の席に腰掛けながら圭吾が言った。
「しばかれる〜♪」
面白そうに言う圭吾。
加奈は軽く圭吾を睨み、溜め息をついた。