箱庭センチメンタル
そう、そうだ。
確かに私は信じていた。
ずっと、それが何故なのかは分からなかったけれど今、ようやく気付いた。
私は彼を……
「今お前がここにいるのは、そういうことだって俺は思ってる」
真也を待っていたのだと。
ならば私は今、彼を眼の前にしてどうしたいのだろう。
「雛李…」
私を見る彼の面差しは、悲痛に歪んでいる。
どこか、哀れんでいるようにも見える。
「貴方は、なぜ……」
なぜ、そんな顔をしているのですか。
言葉は続かず、それ以上は口を閉ざす。
それを聞いても私にはどうすることもできない気がした。
心のどこかで私は、彼のその表情の訳を理解していたのかもしれないけれど、自覚するには到底至らない。
私の呟きを気にするでもなく、真也は言葉を紡ぐ。
「お前は、自分のことを全く信じてないんだな」