箱庭センチメンタル



「まだ片付けが済んでいないのですが…」


「だーめ。お前やっぱ疲れてるんだよ」


「そんなことは——」


「あるって。ほらここ座る」



リビングへと誘導されて、ソファーに座らされる。


中途半端は嫌なのだけれど…。


未練がましく抗議しようにも、どうやら真也は許してくれそうもない。



「絶対不調だろ。肌白いし」


「外に出る機会もなかったもので」


「なんか唇青いし」


「…空調に問題が生じたのでしょう」


「あとほら、目の下クマすごいぞ」


「……体質でしょう」


「言い訳が単純になってきたぞ」



適当なごまかしは通用しないらしい。



真也に出会った時から感じてはいたけれど、やはり彼は私の思考が読めるらしい。


正確には、私の心の機微を感じ取っている。


更に分かりやすく説明するならば、それは勘だ。


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