箱庭センチメンタル
これも嘘……?
私を騙す、偽りなのですか?
……そんなはずがない。
けれど、絶対にそうだと結論付けることは、疑心に満ちている今の私にはできなかった。
「どうだ?」
尚も体を寄せながら、不安気に瞳を揺らして聞いてくる真也に罪悪感が込み上げる。
彼を疑ってしまうことに対してもだけれど、何よりも迷惑をかけていることに。
「ご心配をおかけしてしまい、申し訳ありません。もう大丈夫です」
言いながら、真也の胸元に手を添えて押し返す。
それが彼に対する拒絶のようにも思え、チクリと胸が痛んだのは気のせいだ。
私の発する言葉も行動も軽薄で。
それが本音かも自分で判断がつかず、だから何にも寄り添えない。
この距離は決して縮まらない。
彼との間には、はっきりと示された壁がある。