箱庭センチメンタル
その通りかもしれない。
だから私は彼を遠ざけようとした。
そんなことすら忘れるほど、私は……この人の側にいたいと望んでしまった。
そして、それすら見抜いて、あえて私に自覚させたのかもしれない。
私の身をおそらくは案じているはずなのに、矛盾したようなその行動の真意は知れないけれど、そうに違いないという確信がどこかにあった。
「俺はお前にここにいて欲しい。それじゃダメか?」
「……いえ、十分…です…」
彼の問いかけに、自然と答える自分がいて。
私の返しに満足げな顔をする真也を見つめながら、ぼんやりと思っていた。
本当の安らぎは、ここにあるのではないかと。