箱庭センチメンタル
遠にそんなものは捨てたはず。
それに現実は甘くない。
周りの人達皆が敵。
信用してはいけないということ。
そうなのでしょう?
私に必要以上に近付くことを、きつく留められているのがよく分かった。
会話など成り立たず、微かな希望さえ摘み取られ裏切られ、そうしてあっという間に消えて行く。
慣れたこと。
大丈夫だ、この程度のこと。
自分を慰め、律する。
それ以上を求めぬよう、それ以下に貶められぬよう。
常に一定を保ち、線を引く。
これ以上に溢れてきそうな、失くさなければいけない感情を飲み込む為。
私は箸に手を伸ばした。