箱庭センチメンタル



小さく首を傾げてみせると、「うっ」と追い詰められたように言葉に詰まっていた。


心なしか真也の頬が赤くなっている。



「お、俺が……変なこと考えるから、困るんだよ…」


「……変な…?」


「っだ、だからっ…!俺が雛李のことやらしい目で見るんだよってこと!!」



半ばヤケになって言い切った真也に、瞬きすら忘れて見入ってしまった。


明らかに顔は真っ赤で、耳まで赤い。


ここに来てようやく、真也の言わんとすることが理解できた。



「つまり、男性である真也が女性の私を性的な目で見てしまうので気を付けろ……ということでしょうか?」


「うっ……そ、そこまではっきり言ってないけどさ…。てか、なんでお前はそんな冷静なんだよ!!」



冷静……確かに、そうかもしれない。



気を荒立たせることがそもそも無い私だけれど、それでも危機感というものはある。


にも関わらず、真也に対して何かを思うことはない。


なぜか、と少しばかり考えて答えた。


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