箱庭センチメンタル
かりそめが欲しい
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何もする事がない中、座り込んだ膝の上で組んだ手を眺める。
深い悲しみを孕み、体を揺らした妹を思い出していた。
皐には悪いことをしたと、思っている。
血の繋がりはある、が書類上定められた姉妹という関係。
その間柄を越えてまで、こちらの領域に入って欲しくはなかった。
本来、あらゆる面で繋がりを持つのが家族のはず。
こうした格差があるというのは、外でも当たり前のことなのだろうか。
屋敷の中の事情しか知らない私は、想像することもできない。
こういった点では皐よりもずっと無知だ。
身内のルールはここでは絶対。
皐はそれに見合った立場のため、相応に接してもらえている。
私もまた然り。
何か起きた時でも、互いに代わりになることはできない。
だから私は、未然に防いで事実を無かったことにするのだ。