箱庭センチメンタル
もし皐が無断でここへ来たことをお祖母様が訝ったとしても、確証を抱く前にその責任の全てを私に転嫁すれば良い。
私が受ければ済むだけの話だ。
彼女の未来は私が守る。
例えこの先、皐が私を嫌悪し、蔑んだとしても。
それは今あることから成る結果だ。
必然的にそうなってしまうというだけ。
納得する理由なら、それだけで十分でしょう?
抵抗する気は毛頭ない。
何もなければそれで良いのだ。
現状維持。
変化を望まない私はそう願う。
指を組み、きゅっと力を込める。
——と。
「っ……」
くらり。
不意に、眠気に襲われた。
唐突すぎるそれに僅かな疑念を抱きつつ、そういえばあまり寝ていなかったことを思い出す。
皐のことで頭が一杯だった。
その間にどれだけの時間が経っていたのか計りかねるけれど、考えることもなく、眠気を自然に受け入れる。
瞼が重い。
抗えない。
大人しく、目を閉じて眠りについた。