箱庭センチメンタル
不穏な響きを孕んだ単語の数々。
鈍感な皐の不安さえ煽ったのだ、それをお祖母様が口にしていたとなれば誰でも不審に思うだろう。
少し記憶が飛んでいるけれど、思い返せばおかしな点は確かにある。
急激な睡魔に襲われ、不眠のせいだと思っていたけれど。
なるほど、食事に薬を盛られましたか。
「皐だけではどうしていいか分からなくて。
誰かに助けてもらおうにも、ここの人たちは頼れない。だって、お祖母様の命令は絶対です。助けてくれるはず、ありません…っ。
何も考えられなくて、家から飛び出したらその方がいらしたので、手伝ってもらったんです」
涙目でまくし立てる皐の話を聞きながら、私の頭は冷静だった。
致死性があるわけではないと理解したためか、単に私の感情の起伏が乏しいためか。
理由はそのどちらかには違いない。
「そうだったのですか。皐、感謝いたします」
「は、はいっ…」
「けれど」