箱庭センチメンタル
一転して嬉しそうな顔をする皐に告げるのは、酷かもしれない。
そう思いつつも、結果論のみを突きつける。
「貴方の行いはとても感心できるものではありません。
無鉄砲に行動した結果、屋敷の者に気取られてしまっていたら……ひいてはお祖母様の耳に入ってしまった時はどうするおつもりだったのですか」
「そ、れは…」
「此度は運が良かったに過ぎません。
……やはり、貴方には自覚が足りないようです」
うなだれ、口ごもる皐に聞かせるつもりはなかった話をあえて言って聞かせることにした。
「もし皐が見咎められることがあるのなら、私は全ての責を負う気でいます」
「っ…お、お姉様!それは…!」
「それが私の覚悟です」
今度は理解できたかと、暗に皐に問いかける。
「貴方が何もしなければ私が動くことはないということです」