箱庭センチメンタル
無理に従わせることも出来なくはないけれど、あまり好ましいやり方ではない。
怯えさせるだけでは駄目だ。
引きを知らない皐に、本当の意味で理解を示してもらわなければ。
その為には、打ち明ける他にないのだ。
もう隠す必要もないと思った。
「妹を守るのは姉である私の役目。当然でしょう」
「そんなっ…!止めてくださいお姉様、自分の責任くらい取れます!」
こうした場合の対処については、既にいくつか候補がある。
皐の反応も想定内。
さてどうしたものかと逡巡する。
精神的、年齢的にも皐は幼い。
わずか13才の彼女に軽く背負えるものではないと、私は身を持って知っている。
「皐、貴方にはこの先も数多の出会いがあります。それは好機とも言えるでしょう。いざという時にこそ貴方を救ってくれるはず。
ここで堕ちてしまうのはあまりに惜しい」