箱庭センチメンタル



後ろ指を指されるのはもうたくさん。


私と皐はそもそもが違うのだから、当然と言ってしまえばそれまでだろう。


そう、元が別物なのだから。




今日の起床も通常通り、きっかり6時。


この時間に起きるというのは、体が既に覚えてしまっている。



時間を無駄にする気はない。


起きてすぐに布団を畳み、緩い寝巻きの帯を外した。


着物を着て、帯を締める。


あとは襖の前に座り、正座をしてただじっと待つのみ。



かれこれ10年近く続いた日課。


慣れない方がどうかしている。





菊ノ宮雛李(きくのみや ひなり)。


齢17歳。


今日も私は私らしく、と。


それのみをただひたすらに、反芻させる。


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