わたしの初カレ。
とは言ったものの...
なんで私、クラス対抗リレーなんかに出場希望してしまったんだろう...。
やばい、私と一緒に走る人はほとんど陸上部だ。
「望和ちゃん、大丈夫。
私と一緒に走る人も陸上部だから。」
星莉ちゃんは、暗い表情。
さっき倒れたばかりなのに大丈夫なのかな...。
星莉ちゃんの事が心配だ。
そこへまた、星莉ちゃんのいとこである橋崎先輩が走って星莉ちゃんの元へ駆け寄ってきた。
「おーい、お前さぁクラス対抗リレーなんか走って大丈夫なのか〜?」
先輩は、自然な感じで星莉ちゃんの頭をポンポンする。
星莉ちゃんは、先輩をほっぺたを、
「もー」
と言いながらつねっている。
なんか2人ともカップルみたいだなぁ...。
私の顔がニヤけていたのか、橋崎先輩が笑いながら言ってきた。
「おーい、そこのニヤケてる人〜
俺達、そんなんじゃないからなー!」
「そうだよ望和ちゃん!」
あー、なんか見てて癒されるなぁ。
橋崎先輩も本当にカッコイイ。
────でも、カッコイイと思うだけで恋心は生まれない。
そう考え事をしているうちに、
クラス対抗リレーが始まった。
私は自分のレーンの所までいき、
号砲一発、みんないっせいにスタートした。
ちなみに私がバトンを渡すのは星莉ちゃん。
風が舞う中で走っているため、目に砂が入りそうになる。
だけれど、星莉ちゃんに負担をかけないように一生懸命走った。
...ハァハァ。
やっとバトンを渡したものの
最下位の状態で渡してしまった。
仕方ない。
だって私と一緒に走る人がみんな陸上部だったからね...。
私は、本当に運動はだめだ。
いや!
そんな事を考えている場合ではない。
星莉ちゃんの応援をしなきゃ。
ふと、私は星莉ちゃんの方を見た。
ちょうど...見てしまった。
一生懸命走っている星莉ちゃんに、女子の先輩が持っているバトンを横腹に────。
あれは嫌がらせ...だよね...。
るるの
「頑張れ!!星莉!!」
と言う声が聞こえてくる。
私も一生懸命、星莉ちゃんを応援した。
...にしても、なんで女子の先輩が星莉ちゃんに嫌がらせなんか...。
────もしかして、橋崎先輩のことで...?