わたしの初カレ。
クラス対抗リレーが終わり、さっそく星莉ちゃんを連れて、私はるるの所へ行った。
「ねえ!るる!!
さっき星莉ちゃんがリレー中に先輩から嫌がらせ受けてたの見てたよね?!」
「見てた見てた!!
あれ、絶対さぁ〜橋崎先輩のファンだよね。
自分が好かれてないからってウケるんだけど。」
そう言っている、るるの表情はとても怖い。
いつもキラキラ輝いている、るるの瞳には今は光がない。
それだけ、るるは友達想いなんだね...。
よし!私も、星莉ちゃんと橋崎先輩の誤解を解くために、橋崎先輩に言わなきゃ!!
落ち込んでいる星莉ちゃんに、私は
「安心して!!
私が誤解を解くね!!」
と明るい声で言った。
るると私は、走って橋崎先輩の元へ向かった。
橋崎先輩は、私達の姿を見て驚く。
そんな先輩の後には、橋崎先輩のファンであろう人が何10人もいる。
...この状況じゃ、先輩に話しかけずらい。
一体、どうすれば...。
────と、そこへ唯くんが通りかかった。
金髪は、うちの生徒では浮いているためすぐに唯くんだと分かった。
あ、また唯くんを見てしまった。
なんで視界に入っちゃうんだろう...。
そう思っていると唯くんの声が聞こえてきた。
「あのー、先輩達...。
俺、救護係りで江口さんの今の体調を確かめるために体温測らないといけないんで...そこ通してください」
「えっ?!イケメン?!
やだ〜まじごめんねぇ〜♡」
────流石、唯くん。イケメンって凄い。先輩までをもトリコにするとは。
…しかもなんか言い方が可愛い。
なんて思っている場合ではない!!
しかも、唯くんとはもう関係がないんだから、気にしちゃいけない!!
まあ...とにかく女の先輩がどこかへ行ってくれたお陰で、橋崎先輩と話しやすい状況が作れた。
唯くんは、本当に星莉ちゃんの熱を測るという役目があったらしく、星莉ちゃんを救護係りがいるテントまで連れていった。
「あ、とりあえず先輩もついてきて下さいね」
と、るるが低い声で言う。