わたしの初カレ。
私達も、星莉ちゃんの後に付いて行った。
「...ハァハァ。
星莉の秘策って...。あの先輩に直接言うこと...?
...って、それ秘策じゃないじゃーーん(笑)」
確かに、『秘策』ではないような気がするけど...。
星莉ちゃんは、リレー中に嫌がらせをしてきた女子の先輩の前に立った。
女子の先輩は、腕を組み星莉ちゃんを睨みつける。
「だいたいアンタ生意気。
なんで後輩のくせに浩司の好きな人なの?
...まぁアンタ可愛いけどさぁ。」
「...いや、あの...先輩。
私、橋崎先輩の...」
「なに?」
「そっ、その!!
私、橋崎先輩のいとこなんです...!!」
そう言っても、女子の先輩は信じてくれるのかな...。
「は?アンタが?」
...でた。
やっぱり私が思っていた通りだ...。
星莉ちゃん、言ったら伝わるとでも思ったのかな...。
こういう先輩って、なかなか信じてくれないだろう。
るるも、先輩になにか言おうと口を開こうとした────その時だった。
星莉ちゃんと先輩がいる所へ、
見知らぬお姉さんらしい人が来た。
しかも美人。
その見知らぬお姉さんを見てるるが、
「あっ!!!」
と声を上げる。
「え?
るる、もしかして知り合い?」
「うん。
あの人、中学の体育祭にも高校の制服来て見に来てたからさ〜。
ちなみに橋崎先輩のお姉さんなんだってー。
私達のちょうど3つ上だから、望和は初めて見るよね!!
星莉が、橋崎先輩のいとこって言うのは知らなかったけど...橋崎先輩のお姉さんは有名だったから知ってる(笑)」
ん?!
という事は、
あの美しいお姉さんは、星莉ちゃんのいとこでもあるのか!!
「あら〜星莉ちゃん。
お久しぶり。」
「おっ、お久しぶりです!!」
そのやり取りを見て女子の先輩達が動揺する。
今、ちょうど他の競技が行われるため
運動場にアナウンスの声も響いている。
でも、女子の先輩達の耳にはアナウンスの声は届いていないだろう。
「あの...この後輩とお知り合いなんですか?」
「お知り合いも何も〜、私と星莉ちゃんはいとこなのよ〜」