わたしの初カレ。
□複雑
私、石井望和。
あの日以来、
桃華からRINEが来ても返信出来ないままでいた。
『あの日』というのは、
私が桃華と、公園に行った日曜日。
唯くんとエリカちゃんカップルが、
イチャイチャしている姿を見た時のこと。
ふたりの姿を見て、私がヤキモチを妬いていると桃華が言った時...唯くんの顔が赤くなった。
顔って...
そう簡単に赤くなるものなのかな?
偶然、赤くなっただけなのかな?
…うーん。わかんないや。
私はそんな事ばかり考えながら、
自分の部屋の中を歩き回る。
落ち着かない。
なんだかじっとしてられない。
それに桃華と遊んだあの日、
やっぱり唯くんが好きだっていう
自分の気持ちに気づけた。
別れてから後悔するなんて思わなかった。
初恋の人と付き合って別れて...後悔して。
しかも、
自分から振って後悔するなんて。
ため息をつくと、
また桃華からRINEが来た。
流石に未読のまま無視をし続けるのも悪い気がしたから、とりあえず返信をすることにした。
桃華『ねぇ望和ってば...あれからなんで連絡くれないんだぁーー』
桃華からこのようなRINEの私宛に送られたメッセージの内容が、気づかないうちに50件以上あった。
桃華...返信しなくてごめんよぉ。
今度はちゃんと返信するからね...!!
あっ。
そういえば最近、
またぼーっとすることが増えた気がする。
そういえば昨日、
学校で星莉ちゃんやるるに話しかけられていたのに気づかなかったし...。
あの出来事があった次の日の学校なんて、
本当に酷かった。
唯くんの姿を見るのが
なんだか気恥しくなった。
いつもは、
るるの元へ遊びに行く為に1組に行くのに...。
「ごめん。星莉ちゃん、今日は...お腹痛いからちょっと保健室行ってくるね!!」
とか言って誤魔化しちゃったりして...。
本当に星莉ちゃんとるるには迷惑をかけた。
...申し訳ないです。
────そして
50件以上のメッセージを送ってきた桃華に、なんて返信をしたら良いのかわからず『ごめんなさい』の文字のスタンプを送信した。
────ピロリン♪
えっ?!もう返信きた!!
早いなぁ。
さすが桃華!!
桃華『なんか、望和って純粋。たったあの出来事だけで、そんなに気にするとか(笑)』
じゅ、純粋なのか...?
でも...私はまず、
今まで恋愛経験とかなかったからね。