わたしの初カレ。




「...いきなりこんな事話してごめんなさい...」



「そっ、そんな!!
恋人できるって幸せなことだから!」




「...でも、るるちゃんと望和ちゃんを裏切るようなことしてしまって...」




「そんな!!裏切るとか...」



言いかけた私の言葉に、予鈴の音が重なる。




キーンコーンカーンコーン...
キーンコーンカーンコーン





心がモヤモヤしたまま朝のSHRが始まった。




よりによって、担任の先生はるるに似てるし。




はぁーーー。


どうしたらいいんだろう...。




自分の恋愛もピンチだけど、それよりも問題的なことが起こってたなんて!!





私は、とりあえず星莉ちゃんのそばにいることにした。




中休みも昼休みも、ずっと星莉ちゃんは暗い表情...。




「ねえ、星莉ちゃん!!
今...昼休みだし、図書室いかない?」





「...え?」




「ほら!!気分転換に!!
星莉ちゃんの暗い表情ずっと見るの嫌だよ!!」





「...望和ちゃん...!!ありがとう」




図書室で気分転換できればいいなぁ。



図書室に到着。



図書室の静かな雰囲気は、今の私たちには落ち着く場所。





「...あっ」




「ん?どうした星莉ちゃん?」





星莉ちゃんの目線の先を追った。



そこには例の野球部のプリンスこと、星莉ちゃんの『いとこ』である橋崎先輩がいた。




橋崎先輩が、こっちに向かってくる。



...やっぱりイケメンだ。


でもこのイケメンに恋愛感情はうまれない。




橋崎先輩は、星莉の目の前にたつと、すかさず星莉の腕を引っ張った。



「...へっ?!」



動揺で思わず大声を出しちゃった...。




「...静かに!!」



ああ、図書委員から注意された...。




って、え?!



隣にいたはずの星莉ちゃんがいない。


もちろん橋崎先輩もいない。



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