わたしの初カレ。
放課後。
私は唯くんを探すために1組の教室へ行った。
教室を覗くと...あっ、唯くんの姿発見。
黒髪に戻った唯くんの後ろ姿。
どことなくキュンとする。
だが...、他にもクラスメイトがいるから話しかけづらいなぁ。
...っと。
────唯くんと目が合った。
きゅうううんっ。
可愛い可愛い可愛い!!!!
唯くん、笑顔も可愛いっ!!
あっ、唯くんがこっち来る。
来る。
...来る。
きっ、来たーー?!
────ポンポンッ
私の頭の上に大きな手がのる。
「唯くん...もう体調は大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。望和のおかげ。」
そう言いながら唯くんが、私の左手を握った。
「帰ろっ?」
「あれ?唯くん、今日は部活ないの?」
「顧問の先生から、今日は安静にしとけって言われたからね。」
「そっ、そっか!!お大事に!!」
「...それと、
帰り...親が迎えに来ることになってるんだ。」
そっか...。
親が迎えに来ることになってるんだ...。
じゃあ、一緒に帰れないのか。
なんだかショック。
「あれ?落ち込んでくれてるの?」
「へっ?!」
「...もしかして...、
俺と帰りたかった...とか?」
こくこくっと頷いた。
そりゃー帰りたかったに決まってるよ。
私の心をよんだかのように、唯くんが口を開いた。
「...じゃあ、ウチくる?」
「.........へ?」
「俺ん家の車、一緒に乗っていく?」
「...えっ?!...でも...。」
「帰りもまた、俺ん家が車で送るよ?」
「...唯くん家に迷惑をかけるんじゃ...」
「大丈夫。
俺ん家の家族は、望和が来ても『迷惑』とか思わないから。」
...ということで、
唯くんのお父さんが運転する車に乗っています。
車の中広いなぁ...。
「お父さん、
今日は仕事早くあがれたの?」
「ああ。
それに、唯が学校で倒れたっていって心配だったからなぁ。」
「ありがとうお父さん。」
「ああ、そんな礼はいいんだよ。
...で、隣の方は彼女か?」
「あっ、あのっ...
車に乗せてもらってすみません。
いきなり家にもおじゃまさせてもらうことになって...。」
「ああ、そんなに気を遣うことはないさ。
えっと...お名前は?」
「あの、1年の時に...佐々木くんと同じクラスで中学も一緒でした!!」
「なんだ、唯の彼女ではないのか。」
「あ、はい!!」
「でも、中学から一緒だったのか。
これからも唯をよろしく頼むな。」
「あ、はい!!
唯くんと仲良くさせて頂きます!!」