わたしの初カレ。
生クリームがふわふわしてて本当に甘い。
...あっ。
...唯くんの、口に生クリームが。
可愛すぎか。
「唯くん、口に生クリームついてるよ?」
「んー。わざとつけたの。」
「わ、わざと?!」
「うん。
...望和にとってほしいな...なんてね。
冗談だよ」
からかうように、笑いながら唯くんがそう言う。
その笑い声につられて、私も笑う。
この時間が本当に楽しくて...。
ケーキを食べ終わった後も、私達はたくさん話した。
まるで、付き合っているカップルのように。
そして、いつの間にか2時間が過ぎていた。
「もう7時かぁ...。
俺ん家が送るから...あっ!車まで案内する。」
「うん。ありがとう...」
本当に楽しい時間はあっという間だな...。
もっと、唯くんと一緒にいたい...。
車の中で、私は無意識のうちに唯くんの袖の裾を掴んでいた。
「...望和?」
唯くんが驚いたような声を出す。
私は、黙ったまま唯くんの裾を握っていた。