わたしの初カレ。
「望和...」
「唯くん?!汗すごい...走ってきたの?」
「うん。
望和が居るかなと思って3組の教室に行ったんだけど...居なかったからさ。
教室にいたクラスメイトに聞いたら『望和なら帰った』って言ってたから────」
「...ごめんね!!
それに、唯くんは昨日貧血で倒れたばかりなのに走らせちゃって...。」
「いいよ。
...俺、望和にちゃんと返事したいからさ。
逃げないでね?」
唯くんが、私のいるほうへ倒れ込むかのように抱きついてきた。
顔が...すごく熱くなっていく。
「ゆ、唯くん...とりあえずリビングに来る?
落ち着いて話そう?」
「お邪魔して大丈夫なの?」
「佐々木くーん!!いいのよ〜!
どうぞ、入って入って。」
「ちょ、お母さん!!話ずっと聞いてたの?!」
「だって〜、望和の彼氏かなーと思って。
気になっちゃって〜」
「もー」
「はい、望和さんは俺の彼女です。」
「あらま〜。そーなの?」
「ちょ、唯くん?!」
そんなサラッと...。
しかも今、さり気なく私を『彼女』って言った...?!
じゃあ、私達...よりを戻せたってこと?!
「望和、顔あかいわよ〜。
図星なのね、ふふっ」
「もー。あっ!!!!
とっ、とりあえずリビングに移動移動!」
「あっ、お母さん用事あるんだったぁ〜!!
お父さんも今日は帰り遅くなるみたいだから大丈夫よ〜。
佐々木くん、ゆっくりしてらっしゃい。」
「ありがとうございます」