わたしの初カレ。
帰り道。
「そういえばさ、さっき教室で話したかったことなんだけれど。話してもいい?」
「どっ、どうぞっ!お、お話下さい!!」
「石井さん、変なの(笑)ほんと可愛いよな...」
え?!い、今なんて?!
聞き間違いだよね。
まさか...あの爽やかイケメン唯くんに『かわいい』とか言われるわけないか。
私は、可愛いと言われて動揺した。
本当に言われ慣れてないからなぁー。
「そんな可愛いのに、
告白されたことないの?」
「わ、私は、もともと男子と話さないから...。告白されることはなかった...かな。」
すると、唯くんは大きくため息をついた。
「えっ?!ごっ、ごめん。」
「石井さん、変なの(笑)。
いやー、俺それならもっと前から石井さんに告白すれば良かったなーなんて。後悔してる。」
「えっ?!
でもっクラス一緒になったのは中2の時だけだよねっ?関わりもなかったし...」
「んー、これ話したら長くなるからさ...
そうだ!連絡先聞いていい?」
「へっ?!いっ、いいよ!!全然いいよ!!」
幸せだぁ。
喋ったのは初めてだけれど...
やっぱり私、唯くんのことが好きだな。
いつの間にか辺りは暗くなっていた。
ほんと時間って経つの早いなぁ。
そして連絡先と、
流行りの無料メールアプリRINEも交換できた。
今日は、これで満足だ。
「石井さん、家まで送っていくよ?」
「い、いいよ!!私こっちの角曲がったらすぐだから。ありがとう。」
「そっか。じゃ、俺あっちだから。
気をつけてね。あっ。ちょっといい?」
「へっ?」
唯くんは、真剣な顔で言った。
「もう一度言うけれど、俺も石井さんのことすきだから。」
改めて言われると照れるなぁ。
でも、名前の呼び方は『石井さん』か。
でも今日は、幸せな1日でした。