わたしの初カレ。
アイスを食べ終わった後、
るるがあの話題を出してきた。
私が今、1番聞きたくない人のことだった。
「そーいえばさっ、
...唯ってやっぱり良い奴だよね」
そのるるの言葉にドキッとした。
アイスを食べて、少し冷たくなった身体がまた火照ってきた。
「確かに...佐々木くんっていい人なのかも。
今、佐々木くんと付き合っている人は凄く最低だけれどね」
そう言っている星莉ちゃんの表情が怖かった。
そこから唯くんとエリカちゃんカップルに対する愚痴大会が始まった。
「ね〜、普通さぁ〜
授業中にカップルが堂々とキスする〜?」
と、るるは声を荒らげて言う。
まるで酔っ払ったおじさんみたい(笑)。
「しないと思うけれど」
と、星莉ちゃんは冷たい表情で言う。
あまりにも星莉ちゃんの表情が怖かったので
私は、
とにかく星莉ちゃんの表情がこれ以上怖くならないように話題を変えることにした。
「そっ、そう言えば...
るると星莉ちゃん、今日はわざわざお見舞いに来てくれてありがとうね。
すっごい元気でたよ、本当にありがとう。」
少しぎこちない表情になってしまったが、
そう言った私に2人とも
「友達なんだから当たり前!!」と笑顔で言ってくれた。
そうだ。
私には、友達がいるんだ。
だから、
唯くんのことは忘れよう。
今度こそ、本当に忘れるんだ。
そして、次の日。
熱が下がった私は、学校へ行った。
玄関には、待ってましたというような感じで
るると星莉ちゃんが笑顔で待ってくれていた。
私は、清々しい気持ちで廊下を歩いた。