【完】相沢くんの秘密。
相沢くんの秘密
「篠原〜!彼氏がお迎えだぞ!」
クラスの男子に自分の名前を呼ばれ前の扉の方を見れば、少しだけ見える後ろ姿。
返事をして、目の前にいる友達に別れの挨拶をする。
机の横にかけてあった鞄を取って走って向かうと、よっ、と発する彼がいた。
「相沢くん!」
「ごめん、待たせた。じゃあ行くか。」
その声を合図に私たちは歩き出す。
「…っていうことがあったんだ!笑いすぎてしばらくお腹痛かった〜!」
「へー。」
相沢くんは人より反応が薄い。
そして人より口数が少ない。
けど、冷たいってわけじゃない。
ただ、あまり自分の感情を表に出さないだけ。
…未だ彼女って言ってもらえたことないけど。