君の視線の先は…
俺はたまたま和也と話す機会があった。

「お!和也!」

「あぁ、南城か」

「お前さ、よく和水と話してたよな?
もしかして………」

「…もちろん友達としては好きだよ?でも、友達以上恋人未満の関係でいたいかな?」

「…そっか?」


俺、一言も“和水のことが好きか”なんて
言ってないよな?


この会話をした日に俺は和水にメールで

[和水はさ、もし好きな奴が自分に恋愛
感情ないってわかったらどうする?]

って聞いた。

案の定和水は[なんで?]と返してきた

[いや、例えばの話]

さすがに怪しまれたかと思った。
でも、和水はしっかりと返してくれた。

[告白はしないかな。だって、告白して
も相手を困らせるだけじゃん?

好きって気持ちはすぐには消えないか
ら、その気持ちは心に押し込んでおく
かな?
恋が叶わなくても、友達でいられるな
らそれでいい

急にどうしたの?なんかあった?]


和水はここでも相手のことを思ってた。
どこまでお人好しなんだか…

俺は和水に今日の出来事を全て話した。
魁星と話した時に和也が和水のことを友達としては好きだと言ったこと、そして友達以上恋人未満でいたいと言ったこと……


俺は最低なことをした。今更だけど、なんで和水に教えたんだろう。俺が言わなければ和水は傷つかないで済んだのに…


俺は和水に謝った。でも、和水は

[友達って思ってくれてるってことがわ
かっただけでも嬉しいよ。ありがとう
ね!南城!]

としか言わなかった。

俺を責めたりせずに“ありがとう”と言ってくれた



やっぱり俺は和水が好きだ


だからこそ、こいつを泣かせたくない


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