タイム!
静な教室にチョークの擦れる音が聴こえる。
教室の一番後ろの席で、僕は担任が黒板に書いている数学の数式をただボーッと見つめていた。
「……真。……人。真人!!。」
隣の席の同級生の健二が僕の耳元で囁やいた。
「あ、あぁ。」
健二が僕を呼んでいる事に気がつくと曖昧な返事で健二の方を向き、返事を返した。
「お前、最近ボーッとしてる事が多いいけど、どうしたんだよ?」
あの出来事から3日が経とうとしていた。
3日前、あのトラブルに遭遇してしまい、急いで屋上から逃げ出し、少し遅れて授業に参加した僕は事件が発覚することにビクビクしていた。
学校の生徒が死体を発見して、警察が来て、現場現象や不審な人物の聞き込みみたいなものが始れば、屋上に女の子以外に、人間が居たこと位すぐに分かるだろう。
日本の警察は世界の中でも優秀だ。
僕が重要参考人として、犯人扱いされるのではと不安で仕方なかった。
けれど、あの日は警察はおろか、死体を発見したら、あげるであろう悲鳴も無く、何事もないように1日が過ぎていった。
不思議に思った僕は放課後、恐る恐る彼女の死体があるであろう1Fの校舎の箱庭に足を運んだ。
そこには死体も無ければ、血の一滴も地面には着いてはいなかった。
「ちょっと色々とあってね。」
僕は少し困ったような顔をしながら背を向けている先生に私語がバレないように小声で健二に話した。
「色々って……何かあれば何時でも相談しろよな!」
健二は心配そうに僕に言うと、黒板に目を向けノートに数式を写し始めた。
健二は僕の幼なじみの親友で、内気な僕が誰かにいじめられたり、一人ボッチでしていると必ず助けてくれていた。
いつも、僕がピンチの時には必ず助けてくれるヒーローの様な存在で、この高校に入学した理由も健二と一緒にツルみたかったからだ。
きっと健二は僕が経験した普通では信じてくれない事も信じてくれて、何かしらの力も貸してくれるだろう。
けれど、僕は自分の力で解決しなければいけないと思っていた。
電話越しの女の子が言った、
「あなたが助けてくれる。」
その言葉が何故か日が経つに連れて説明の仕様のない責任感?の様なものを芽生えさせていた。
今僕の学生服の内ポケットにある「あの携帯」
何故か捨てるに捨てきれず、それどころか毎日自分の携帯の様に持ち歩いてしまっている。
あれから何度か、稚早と書かれた番号に連絡をとろうとしても繋がることは無かった。
自分が何がしたくて連絡を取ろうとしているのか自分でもよくわからなかった。
黒板に背を向けていた先生がチョークを置き振り返った。
「今日の授業はここまで!!」
その声に僕は黒板の上に着いている時計を見る。 授業が終わる迄に10分程の時間が残っていた。
「ちょっと今日は皆に転校生を紹介したいと思う。本当は朝のホームルームに済ませたかったんだが、その子の都合上この時間になってしまった!」
担任の守口が話すとクラスメートは騒ぎだした。
「今から呼んでくるからお前達は少し待機していろ。」
そう言って守口は転校生を迎えに教室から出ていく。
「女の子かな!?」
健二が転校生に期待を膨らませて僕に聞いてくる。
「分からないよ。」
僕は苦笑いをして健二に答える。
正直今はどっちでもよかった…
僕の頭の中は転校生よりも、3日前の事で頭が一杯だったからだ。
5分程すると、教室の教壇側のドアが開いた。
守口と一緒に入ってきた転校生にクラスメートの男子は歓喜の雄叫びをあげている。
健二も「よっしゃー!!」と叫んでいた。
教壇まで守口とその転校生が来ると、自己紹介をするようにと守口が言った。
「桜 稚早です。」
教室の一番後ろの席で、僕は担任が黒板に書いている数学の数式をただボーッと見つめていた。
「……真。……人。真人!!。」
隣の席の同級生の健二が僕の耳元で囁やいた。
「あ、あぁ。」
健二が僕を呼んでいる事に気がつくと曖昧な返事で健二の方を向き、返事を返した。
「お前、最近ボーッとしてる事が多いいけど、どうしたんだよ?」
あの出来事から3日が経とうとしていた。
3日前、あのトラブルに遭遇してしまい、急いで屋上から逃げ出し、少し遅れて授業に参加した僕は事件が発覚することにビクビクしていた。
学校の生徒が死体を発見して、警察が来て、現場現象や不審な人物の聞き込みみたいなものが始れば、屋上に女の子以外に、人間が居たこと位すぐに分かるだろう。
日本の警察は世界の中でも優秀だ。
僕が重要参考人として、犯人扱いされるのではと不安で仕方なかった。
けれど、あの日は警察はおろか、死体を発見したら、あげるであろう悲鳴も無く、何事もないように1日が過ぎていった。
不思議に思った僕は放課後、恐る恐る彼女の死体があるであろう1Fの校舎の箱庭に足を運んだ。
そこには死体も無ければ、血の一滴も地面には着いてはいなかった。
「ちょっと色々とあってね。」
僕は少し困ったような顔をしながら背を向けている先生に私語がバレないように小声で健二に話した。
「色々って……何かあれば何時でも相談しろよな!」
健二は心配そうに僕に言うと、黒板に目を向けノートに数式を写し始めた。
健二は僕の幼なじみの親友で、内気な僕が誰かにいじめられたり、一人ボッチでしていると必ず助けてくれていた。
いつも、僕がピンチの時には必ず助けてくれるヒーローの様な存在で、この高校に入学した理由も健二と一緒にツルみたかったからだ。
きっと健二は僕が経験した普通では信じてくれない事も信じてくれて、何かしらの力も貸してくれるだろう。
けれど、僕は自分の力で解決しなければいけないと思っていた。
電話越しの女の子が言った、
「あなたが助けてくれる。」
その言葉が何故か日が経つに連れて説明の仕様のない責任感?の様なものを芽生えさせていた。
今僕の学生服の内ポケットにある「あの携帯」
何故か捨てるに捨てきれず、それどころか毎日自分の携帯の様に持ち歩いてしまっている。
あれから何度か、稚早と書かれた番号に連絡をとろうとしても繋がることは無かった。
自分が何がしたくて連絡を取ろうとしているのか自分でもよくわからなかった。
黒板に背を向けていた先生がチョークを置き振り返った。
「今日の授業はここまで!!」
その声に僕は黒板の上に着いている時計を見る。 授業が終わる迄に10分程の時間が残っていた。
「ちょっと今日は皆に転校生を紹介したいと思う。本当は朝のホームルームに済ませたかったんだが、その子の都合上この時間になってしまった!」
担任の守口が話すとクラスメートは騒ぎだした。
「今から呼んでくるからお前達は少し待機していろ。」
そう言って守口は転校生を迎えに教室から出ていく。
「女の子かな!?」
健二が転校生に期待を膨らませて僕に聞いてくる。
「分からないよ。」
僕は苦笑いをして健二に答える。
正直今はどっちでもよかった…
僕の頭の中は転校生よりも、3日前の事で頭が一杯だったからだ。
5分程すると、教室の教壇側のドアが開いた。
守口と一緒に入ってきた転校生にクラスメートの男子は歓喜の雄叫びをあげている。
健二も「よっしゃー!!」と叫んでいた。
教壇まで守口とその転校生が来ると、自己紹介をするようにと守口が言った。
「桜 稚早です。」