S系御曹司と政略結婚!?
「お前ってやっぱり、じーさんと同じ血を引いてるな?」
「どういう意味よ?」
同じと言われ、どうやら怒りの琴線に触れたらしい。あんな金の事しか考えない人と一緒にしないで、と対峙する男を睨む。
「そういうとこも然り、じーさんと“同じ”血が流れてるんだ。考え方や結論の導き方が一緒じゃねぇの?」
「はぁ!?」
「つまり、オマエの浅はかな考えは“同じ”思考回路のじーさんに読まれてるってこと。
今さら預金通帳を銀行に持参しても無駄だ。とっくに別口座に資金移動されてるか、口座自体凍結されてるだろうし」
「うそっ!?」
私が必死に稼いで、私が蓄えてきた、私名義のお金なのに。そんなのまかり通るわけない、と非難していると向かいから嘆息が落ちた。
「大口顧客……まあ、有川は超がつくVIPか。それでなくても、依頼すればすぐに別口座に資金が移せることも知らなかったのか?」
「う、うそ……私のお金だよ?それに、成人してるんだから親権者云々なんて不要でしょ?」
なおも認めようとしない私に、「委任状にサインしたことあるだろ?」と問い返してきた。