秘密の花園×名なしの森

 元々あたしは人付き合いがいい方ではなくて、むしろ苦手だった。現在進行形で。高校に入ってから、それははっきり表れだした。

 高校時代、友達は居なかった。

 教室であたしは、いつも独りだった。

 クラスメイトはみんな、あたしのことを外見で判断した。プライドが高くて高飛車で――いつの間にかそんな性格付けがされていて、近寄りがたいと敬遠された。みんなにどう接したらいいかわからなくて、独りになることを選んで。

 悪循環。

 両親が起業したのは、ちょうどこの頃。小さな会社のたったひとつのカタログの中、あたしは再びモデルになった――。

< 109 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop