秘密の花園×名なしの森

「ぼ、僕は、NANAさんのファンだけど……“好き”になったのは、くゆりさんで……だから、その……」

 しどろもどろになりながら、必死に自分の気持ちを声に出す。伝えたいのに、上手に言葉に出来なくて。

 もどかしい。

「信じて、ください」

 ぎゅっと、手に力が入る。

 きしり、と、彼女の骨が軋んだ。

「……うん、信じる」

 信じるよ。

 その言葉が、ただ嬉しかった。


――20071228 / つづく

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