秘密の花園×名なしの森
タオルにくるまった状態の彼を、あたしは躊躇(ためら)うことなく部屋へ上げた。
親元を離れて独り暮らしを満喫中だったから、誰かに気兼することもなかった。今思うと、見ず知らずの男の人を部屋に上げるなんてちょっと軽率だったけれど。
とりあえずあたしは、彼に着替えるよう勧めた。見たところ、男の人にしては肩幅も狭いみたいだし、レディースのLLなら着られなくなさそうだ。
ちょうどこのあいだ部屋着にと買ったTシャツが、そのサイズだった。あたしは戸口の脇に置いてあった籠の中からそのTシャツを取り出して、彼に手渡す。彼が着替る間、あたしは廊下で待つことにした。