秘密の花園×名なしの森

「お名前、聞いてもいいですか?」

 彼をびくつかせないように、優しい声音で言った。彼は、ほんのりと顔を赤らめて、うつむいてしまった。

(……あたし、なにか変なこと言った……?)

 彼は、もじもじと手先を遊ばせている。その様子は、女の子みたいだ。

 彼を観察しつつ、あたしは彼の言葉を待った。

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