秘密の花園×名なしの森

 彼女は急に立ち上がると、部屋の隅の引き出しへ歩み寄った。ワンピースの裾から細い脚がすらりと伸びている。

(細すぎる、よな……)

 無駄な脂肪など一切ついていない、綺麗な脚。いくらモデルとはいえ、あまりにも細すぎる気がする。必要最低限の肉もついていないような……。

 引き出しの中をがさごそしていた彼女は、そこからなにかを取り出した。手紙らしい。

 彼女の手の中の封筒に、見覚えがあった。

「それ――……」

「うん、あなたがくれた手紙」

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