秘密の花園×名なしの森
「もしかして、なんだけど……」
躊躇(ためら)いがちな声音。彼女の顔が見られない。
「……女の子の服、興味ある?」
「えっと……」
どういう意味だろう。なんのことない、ただの質問なんだろうか。それとも……わざと遠回しな聞き方をしているのか。
「……言い方、変えるね。――女の子の服着るの、好き……?」
ああ、やっぱり。
――知られてしまった。僕の秘密。
……どうしよう。彼女は……軽蔑、するだろうか。気持ち悪いって思うんだろうか……。
恐る恐る、頷く。
僕は俯いたまま、顔を上げることが出来なかった。