秘密の花園×名なしの森

 彼女も……ある意味、僕と同じだったのだろうか。

 誰にも本当の事を言えなくて、ひた隠しにして。


『自分の感情には素直になった方がいいもの……我慢は毒よ、心にも、体にも』


 あの言葉は、もしかしたら自分自身への――……。

 今僕の目の前にいる彼女は、僕が知っている“モデルのNANA”ではなくて、“ひとりの女の子”だった。

 僕の秘密、彼女の秘密。

 なにかが動き出しした気がした。確信なんてないけれど、確かに……なにかが、変わると思った。




――20070707 / つづく

< 35 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop