秘密の花園×名なしの森
彼女も……ある意味、僕と同じだったのだろうか。
誰にも本当の事を言えなくて、ひた隠しにして。
『自分の感情には素直になった方がいいもの……我慢は毒よ、心にも、体にも』
あの言葉は、もしかしたら自分自身への――……。
今僕の目の前にいる彼女は、僕が知っている“モデルのNANA”ではなくて、“ひとりの女の子”だった。
僕の秘密、彼女の秘密。
なにかが動き出しした気がした。確信なんてないけれど、確かに……なにかが、変わると思った。
――20070707 / つづく