秘密の花園×名なしの森
まっすぐに伸びる烏丸通には、車がずっと列なっている。ブレーキランプの赤色が、付いては消え、消えては付いてを繰り返す。
車の赤いランプはすぐに消えても、僕が待っている発光ダイオードの集合体でできた紳士はなかなか消えてくれない。残り少なくなった信号の横のゲージが、ひとつずつ減っていく。そういえば、この青信号へと変わるまでの時間をカウントダウンするシステムも、ここに来て初めて見たもののひとつだった。
赤い紳士が消えた。
京都駅に背を向けて、僕は歩き出す。