秘密の花園×名なしの森

 病院でも、家でも、弱音なんて吐いたことなかった。涙も見せなかった。

 強い自分を演じて、本当の自分を隠して、偽って。自分にウソを吐き続けてきた。

 本当の“あたし”を知ったら、嫌われると思っていたから。

 ……初めて、だ。

 こんなふうに、人前で本音を言うのも、弱音を吐くのも。もちろん、泣くのも。

 ずっと、ずっとずっと、怖かった。本音を言うこと、弱音を吐くこと、涙を見せること。自分を晒すことが、怖くて怖くてたまらなかった。だけど、あたし――

(……ずっと、こうしたかったんだ……)

 本当の“あたし”を、知って、認めて、受け止めて欲しかった――……。

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