秘密の花園×名なしの森
テーブルの上の麦茶は、すっかり薄まってしまっていた。残りの氷も、もう溶けていた。
「あ……」
窓の外をバサバサと羽音を立てながら飛んで行く。日はだいぶんと傾いていた。
ただいまの時間、四時五十二分。
(え……?)
彼がこの部屋に来たのは確か、――一時ちょっと過ぎ。
「ご、ごめんなさい! こんな長い間引き留めちゃってっ!」
「い、いえ、僕の方こそ、お邪魔しちゃって……!」
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