秘密の花園×名なしの森

 怖いんだ。

 自分の気持ちに気付くのが。

 叶わなかった時のことを考えるほど、壊れてしまう時のことを思うほど。

 ついさっき出逢ったっていうのに、どうしようもないくらいあなたに惹かれている。心が、あなたを求めて止まない。胸を焦がす想いって、こういうことをいうのだろうか。

「……わかってる……」

 喉の奥から絞り出したのは、情けなくなるような細い声。

 目が潤んで視界が歪む。


 ――――自分に正直になれない自分が嫌いだ、世界中のだれよりも。



――20070722 / つづく


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