秘密の花園×名なしの森


『くぅちゃんが自分で見付けなかんことやと私は思うよ?』


 萌さんの言葉が、頭の中でリフレインする。


『今、くぅちゃんが一番逢いたいのは誰?』


(今、一番逢いたいひと……)

 テーブルの上に置き去りにしたケータイを取って、メール画面を開く。掌の中の紙を見ながら、宛先を打ち込む。件名には、あたしの名前。本文は、簡単に、簡潔に。


 ――“明日、逢いたいっていったら、どうする?”

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